ミーレやガゲナウをビルトインした高級キッチンの仕様・デザインをリーズナブルに実現

ガゲナウ食洗機とミーレ食洗機 比較のポイント【価格か?ゼオライトか?】

ガゲナウ食洗機とミーレの食洗機 どっちがお勧めですか?

ユーロキッチンズを検討されているお客様より、よく聞かれる質問です。ミーレ、ガゲナウどちらもドイツの一流家電ブランドで、日本の海外食洗機市場においても、草分け的な存在と言っても過言ではありません。

最近では同じくドイツメーカーであるボッシュやAEGなど海外製食洗機の選択肢も増えてきましたが、最終的にはこの2社で悩まれる事が多いです。

そのような場合、弊社ではいくつかのポイントを判断材料としてお伝えして、最終的にはお客様に判断していただく事にしています。

本記事では、その判断ポイントをご紹介したいと思いますが、この判断ポイントは私自身の主観的な感じ方に基づいている点も多く、捉え方によっては間違っている場合もありますので、その辺りを考慮しながら、参考程度にしていただくことをお勧めいたします。(最初から逃げが入っています(笑))

食洗機の性能やスペックの比較は意味がない?

かなり乱暴な主張になってしまいますが、大前提として、洗浄力や消費電力、運転音などの性能やスペックについては、一般家庭での使用上はほとんど差異は無いと説明しています。

もちろん、数値が違いますし、実際の性能差もあるのは承知しております。庫内灯の有り無しや洗浄プログラムの種類、バスケット&カトラリートレイの使い勝手などの違いもありますが、どちらが優れていて、どちらかが劣っているというものではありません。

どちらも高いレベルでの差異ですので、正直、どちらを選んでも、それなりに満足してお使いいただけるだろうと考えているからです。実際に購入できるのは1台だけなので、2台並べて使い比べる事が出来なければ、その違いを体感される事はきっと無いと思います。

もし、食洗機にたいして明確な目的がある場合や性能やスペックにガッツリこだわりたい方は、両社のショールームに行って、実際に使わせてもらったり、トライミーレのようなセミナーに参加されることをお勧めいたします。

さて、前置きが長くなりましたが、ミーレとガゲナウ、どちらの食洗機を選ぶかにおいての判断材料になりそうなポイントを弊社のスタンスでまとめてみると、以下の5点になりました。それぞれ説明させて頂きます。

1.デザイン性の違い

ガゲナウもミーレも、どちらもラグジュアリーで高級感のあるデザインであるのは間違いないのですが、イメージ的には、白を基調とした清潔感あるミーレの食洗機には女性的なエレガントさがあって、ブラックグレーのバスケットと高級感あるステンレスでシックにまとめたガゲナウの食洗機には男性的な格好良さがあるように思います。

ショールームの雰囲気やコンセプトにも両社には特徴がありませんか?

ミーレのショールームは「お洒落」で「華美」なイメージで、ガゲナウショールームは「大人の隠れ家」「重厚感のあるムーディーな雰囲気」なんて言葉がピッタリに感じます。

ミーレ食洗機は操作パネルの色も選べますし、オールドア材タイプやハンドレスタイプもあるので、キッチンの雰囲気に合わせてトータルコーディネートをすることも可能です。

ガゲナウのシンプルながらも計算し尽くされた完璧なデザイン性に魅了される方は多く、ショールームで実機を一目見て「ひたすら惚れ込んだ!」という声もよく耳にします。しかしながらデザインの幅を求めることは出来ません。

このように、それぞれデザインの方向性やデザイン幅など特徴がありますので、ご自身の好みとキッチン全体の雰囲気を考慮して検討していただければと思います。

2.ビルトインに必要な開口高さ

ミーレもガゲナウも、設置方法はビルトインになりますので、キッチンカウンターまでの必要開口高さが重要になります。

ミーレ食洗機のビルトインに必要な開口高さは81cmに対してガゲナウ食洗機は82cmで1cm高くなっています。たった1cmの差ですが、この1cmがビルトインの可否を決めることもあります。

国産システムキッチンにビルトインする際に、一般的には81cm(キッチン高さが85cmで天板厚みが4cm)である場合が多いので、その場合はミーレのみの選択肢となります。近年、多くのシステムキッチンメーカーでミーレ食洗機が選べるようになっているのも、この高さも大きく関係していると思います。

85cm以上のキッチン高さは選べないシステムキッチンメーカーさんもありますし、かりに選べたとしても85cmの次は90cmになってしまう・・なんてこともあります。

オーダーキッチンであれば、大きな問題になることはありませんが、特にリフォームの場合、スペース的に高さを上げることが難しい場合などもあります。開口スペースを変更することが難しい場合では大きなポイントとなるでしょう。

3.販売元が現地法人か輸入代理店か

ミーレは現地法人(日本法人)である「ミーレジャパン株式会社」が販売をしています。日本各地に直営店はもちろんのこと、公認の販売店がありますし、日本国内に保有している在庫量や修理用パーツなどのアフターメンテナンス体制も充実しております。

ミーレ公式サイト
ガゲナウ公式サイト

対してガゲナウは(株)N.TEC(エヌテック)という企業が日本総輸入代理店として販売を行っています。本社は兵庫県にあり、芦屋市と東麻布にショールームを構えております。大企業ではありませんが、1986年より高級家電を取り扱っており、長い歴史と実績のある老舗企業です。ミーレ同様に全国に販売店があります。

ユーロキッチンズでも食洗機に限らず、多くのガゲナウ機器を納品させていただいておりますが、これまで問題になるようなことはありませんので、安心してご提案しています。

この形態や企業規模の違いをどう捉えるか?はお客様それぞれの価値観になろうかと思います。

4.商品ラインナップの豊富さ

ガゲナウの商品ラインナップは幅60cmタイプが2機種、45cmタイプは1機種なのに対して、ミーレの商品ラインアップはもっと複雑で、幅の違いはもちろんですが、扉材、操作パネルの色、グレードによりたくさんの機種が販売されています。

ガゲナウ食洗機のラインナップ

【45cmタイプ(税別)】
DI 264 400 368,000円
【60cmタイプ(税別)】
DI 260 400 518,000円

ミーレ食洗機のラインナップ 

簡略化するために、一番主流のデザインである操作パネルがステンレスで、ドア材取り付けタイプを並べてみました。さらに上位の高級グレードもありますが、ここでは割愛させて頂きます。

【45cmタイプ(税別)】
G5434SCi ステンレス 250,000円 特別モデル
G5644SCi ステンレス 360,000円 梅グレード
G5844SCi ステンレス 400,000円 竹グレード

【60cmタイプ(税別)】
G5214SCi ステンレス 340,000円 特別モデル
G7104SCi ステンレス 420,000円 梅グレード
G7314SCi ステンレス 470,000円 竹グレード
G7514SCi ブラック  540,000円 松グレード

以上のようにミーレはグレードがたくさんありますので、予算やこだわり具合に合わせた食洗機を選ぶことが可能になります。

当ブログには、ミーレ食洗機の価格グレード別の選び方を紹介した記事などもありますので、そちらをもとにご自身の求めるグレードを先に割り出して、そこからガゲナウの価格と比較検討すると良いと思います。

本当は、まず同程度の機能を持つグレードで両社の実勢価格を比較できればよいのですが、購入先によって実勢価格は変わりますし、割引率も違いますので、上記は定価で記載させていただきました。おそらく、現実の販売価格で比較すると、少し捉え方が変わってくると思います。

5.乾燥力アップのための工夫・対策

海外製食洗機に対して度々耳にするのが「乾燥力が物足りないように思う」という声です。日本製の食洗機は温風で強制的に乾かすのに対して、海外製食洗機は運転後の余熱乾燥が基本であるので、どうしても乾燥が甘いように感じてしまうのが理由です。

海外ではどちらかというとエコであることのほうが重要視されているので、エネルギーを消費させてまで乾燥力を高めるという考え方は難しいのです。それでもなんとか乾燥力の向上を実現しようと、両社とも独自の工夫を凝らしています。

ミーレ食洗機は「オートオープン」機能

ミーレの場合は「オートオープン」機能がそれにあたります。

プログラム終了後に自動的に前面扉が数センチ開き、庫内の蒸気を逃がして効率よく乾燥が進むようにします。現在では幅60cmタイプの食洗機には全てこの機能が搭載されるようになっています。

ガゲナウ食洗機は「ゼオライト」機能

ガゲナウの場合は「ゼオライトテクノロジー」機能になります。

これまでもエクストラドライという機能もありましたが、2017年4月に新たに組み込まれたシステムです。庫内にセットされたゼオライトが、運転時の水分に反応して発熱をすることで、温風を発生させて庫内の乾燥を促す仕組みです。参考情報として、ゼオライト機能の詳細を記事の下段で説明いたしますので、関心のある方はぜひ、ご覧になってください。

どちらも乾燥のために新たにエネルギーを使わせることなく、物理的反応を上手く利用して乾燥力アップを実現しているところが素晴らしいと思います。

これらもどちらかが優れている、というものではありません。お好みやご家族の生活スタイルに照らし合わせて、どちらがご自身に向いているかで考えてもらえば良いかと思います。以下の記事も参考になると思います。

以上、ミーレとガゲナウの食洗機を迷った時の比較検討の判断ポイントをご紹介しました。

最初にも記載しましたが、この判断ポイントは私自身の主観的な感じ方に基づく点も多く、事実とは異なっている可能性もありますので、その辺りを考慮しながら、参考程度にしていただくことをお勧めいたします。

【参考】ゼオライトテクノロジーとは?

ゼオライトテクノロジー・・・と聞いてピンと来る方は少ないかと思いますので、詳しくご紹介したいと思います。もちろん私も恥ずかしながら説明を聞くまではさっぱりでした。

そもそもゼオライトとは一体何でしょうか?

「ゼオライト」とは、ギリシャ語で「沸騰する石」という意味で別名「沸石」と呼ばれる火山灰が固まってできた岩石グループの鉱物です。

ゼオライトの中には隙間が多くあり、主成分であるシリカ(ケイ素)とアルミナ(酸化アルミニウム)の働きによって、物質を吸い寄せる吸着機能が備わっています。この吸着機能によって脱臭効果や水質改善効果などが得られます。

馴染みがないように思われるゼオライトですが、実はアクアリウム水槽の掃除や、浄水器、そして園芸では土壌改良など、案外身近で幅広く活用されている鉱物なのです。

加えて吸着機能が働く際に、「発熱反応」が起こるのもゼオライトの特徴。そこにガゲナウが注目した訳です。「水分を吸着するのに発熱するなんて、そんな馬鹿な」と思ってしまいそうですが、同じ原理を使った有名なものでは、例えばユニクロのヒートテックがあります。汗を吸着して発熱しますよね。

こちらがゼオライトです。

ガゲナウで採用されているのは天然ではなく、人工ゼオライトです。人工ゼオライトの方が規則正しい化学構造をもつため、天然ゼオライトよりも高性能でありますし、低コストでゼオライトテクノロジーを採用することが出来ます。

ゼオライトの発熱反応を体験してみました!

ガゲナウショールームで、このゼオライトの発熱反応を実際に体験させて頂きました。小さじ1杯程度のゼオライトを耐熱カップに入れます。そしてそこへ水を垂らすと・・・

「ジュワッ」と大きな音を立てて、あっというまに湯気が立ち水は蒸発してしまいました。(スイマセン、画像ではあまり分かりませんよね。)

発熱反応後のゼオライトは少し崩れたようになっていますが、化学構造は変わらないのでまた水を入れれば発熱反応が何度でも起こせます。つまり、メンテナンスフリーで半永久的に使えるわけです。

カップを触らせてもらうと、ほんのり暖かい・・・などというレベルではなく、しっかりと熱くなっていて驚きました。

たった小さじ1杯ほどの量なのに、このパワー。ガゲナウの新しい食洗機には、このゼオライトがなんと2キログラムも入っているのです。その威力は凄まじいものになるのではないかと容易に想像出来ますね。

ゼオライトが入るのは庫内の底のさらに下のスペース。外からは見えませんが、2キログラムのゼオライトが入ったコンテナがセットされています。

庫内の底部分の右奥には煙突のようなものがあり、ゼオライトコンテナに直結していますが、これは職人さんが調整したりするためのもので、ユーザーが普段この部分を触る機会はありません。

ゼオライトは、前述のとおりメンテナンスフリーで半永久的に使えるので、定期的に交換したり、掃除したりする手間は必要がないのです。すばらしいですね!

ゼオライトで発熱する仕組み

肝心の仕組みについてですが、食洗機を運転すると、庫内には水蒸気が発生します。その水蒸気がゼオライトコンテナへ届き、ゼオライトが発熱反応を起こします。そして発熱反応によって生じた温風が庫内側面に2つある通気口から庫内へ送られます。

送られる温風によって庫内の温度も上がり、余熱乾燥が促進されて、なおかつ乾いた空気が送られるので余熱乾燥では乾燥しにくい食器(プラスチックなど)も十分に乾かされる仕組みです。

余熱乾燥のみの場合だと、庫内の食器量が少ない場合には十分に庫内温度が上がらず、結果乾燥が甘い仕上がりになってしまったなんてことも。そんな余熱乾燥の弱点もゼオライトテクノロジーによって見事にカバーすることに成功しました。

実際の乾燥仕上がりの印象としては、今までは細かいパーツ部分の水滴が残ってしまっていたカトラリートレイや食洗機扉の内側の部分なども、すっきりと乾くようになっています。

百聞は一見に如かず。ご自身の目で乾燥力の違いを確かめたい方はぜひショールームに足を運んで見てくださいね。その場合は、予約時に「洗い上がりを確かめたい」と伝えておけばショールームスタッフがあらかじめ運転をしておいて、訪問時にはちょうど洗い上がった頃になるようにセッティングをしてくれます。

ゼオライトテクノロジーによる嬉しい副次的効果

ゼオライトの採用によって乾燥力がアップしましたが、実はいろんな副次効果があることが分かりました。詳細のメカニズムは割愛させて頂きますが、ゼオライトが乾燥を増強するメカニズムの中でランニングコストの節約および洗浄期間の短縮という副次効果がありました。

「乾燥力」「運転コストの節約」「時短」全てを達成したガゲナウの食洗機は、このゼオライトテクノロジーによって、ドイツの省エネ基準の最高峰である「A+++」を獲得しています。また、電気回路を使っていないので、故障の心配がないというのもユーザーにとっては安心ですよね。

以上、ガゲナウのゼオライトテクノロジーの仕組みと効果についてご説明しました。

 
 
 

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